ネッコチップ工法

発生材の現地活用と機械化施工でコスト縮減が可能な法面緑化工法

ネッコチップ工法は、伐採木、流木、発生土(表土を含む)などの現場およびその周辺からの発生材をリサイクルできる法面緑化工法です。

特徴は、植物生態学的には現場の表土に含まれる「在来植物の埋土種子」や「潜在微生物」を活用することで、「外来生物法」等で示す在来植物や自生植物による発芽・回復が可能です。
土木工学的には長い木質繊維(チップ)と団粒土壌に改変した発生土との絡み合い効果によって、耐侵食性の強い生育基盤材を法面に造成できます。
さらに、施工方法が、バックホウやクレーンをベースマシーンとした機械化施工により、施工能率の向上と工期短縮をはかることができます。

経済性では、発生材の現地活用と機械化施工でトータルコストの縮減が可能な法面緑化工法です。

  • 技術評価
    • 先端建設技術審査証明(技審第1602号)
    • NETIS登録 番号:CB-980067号-V(設計比較対象技術)
    • 農業農村整備新技術候補登録 番号:No.280
    • グリーン購入法特定調達品目登録
    • 国土交通省暫定歩掛による積算の標準化
  • 施工概要
    • 施工フロー図
    • 伐採木や流木等は粉砕(針状チップ)をして、生チップのまま使用します。
    • 生育基盤の造成は標準施工システムでは、高速ベルトコンベア方式による撒き出し機を使用して、ベルトコンベアの高速回転による慣性力で、生育基盤材を法面の地山へ撒き出して、造成します。
    • 撒き出し機は、バックホウ(0.8㎥級)や移動式クレーンに装着でき、法面の高低や掘削工程に合わせて、選定できます。
    • 高所施工システムによる造成は、ピストンポンプを用いたポンプ圧送方式により、高所の法面に生育基盤を空気圧で造成します。法高60m、圧送距離200mまで施工が可能です。
  • 生育基盤の標準配合
    • 標準配合例(1.0㎥当り
      使用材料 仕様 配合量 備考
      チップ材 針状チップ 0.5㎥
      現地発生土 掘削土、土砂 0.5㎥
      団粒剤 NCボンド-A 3kg
      接合材 NCボンド-B 4kg
      肥料 遅効性肥料 2kg
      化成肥料 3kg
      種子 現地種子配合量 無播種も可能
      現地配合計画量

      ※実施工では事前に試験練りを行い、団粒剤の最適配合量を決定します。
      ※NCボンド-A、NCボンド-Bは当社で取り扱っております。

  • 特長
    • 主要材料の調達は、伐採木や流木、掘削残土や土砂などの発生材を現地活用できる。
    • 伐採木等を針状に粉砕した「長い生チップ」を「団粒化土壌」との混合絡み合い成る生育基盤は、耐侵食性に優れている。
    • 発生材の現地活用と機械施工で、工期の短縮とトータルコストの縮減が可能である。
    • 掘削表土に含まれる埋土種子を活用することで、外から種子を持ち込まず、在来植物による緑化が可能である。
  • 適用範囲
    • 法面勾配が1:0.5より緩く、長期的に安定する法面
    • 土砂、岩盤といった、土壌や肥料の少ない法面にも適用可能
  • 施工実績
    施工実績は平成9年から現在までに、399件、154万㎡の実績を得て、全国で採用されております。
    ネッコチップ工法施工実績
  • 主な施工例
    • 事例1.富士山猪の窪川下流渓流保全工事
      外から種子を持ち込まず、掘削表土を混合した生育基盤材とすることで、表土に含む埋土種子(在来植物)の発芽・生育が良好に変遷しています。

      施工状況

      施工後5年

    • 事例2.普賢岳水無川火山地域総合治山工事(無人化施工)

      施工後3ヶ月

      施工後2年

       

    • 事例3.高速道路頂戴法面の施工

      施工状況(50tクレーン使用)

      施工後5年

       

    • 事例4.ダム法面

      施工前の法面(既設モルタル面)

      高山ダム(流木と浚渫土を使用)

       

    • 事例5.既設のコンクリート法枠 覆工

      施工前の法枠工

      施工後1年6ヶ月

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